経営管理とは、経営に関わるさまざまな情報やリソースを適切に管理することを指す言葉です。
しかしながら、使われる状況や文脈によって言葉の示す意味や範囲は変わりますし、この言葉を受け取った方がどう解釈するかもかなり人によるので注意が必要です。
この記事では、「経営管理とは何か」という基本的な部分から、「どのように管理していけば良いのか(手法・ステップ)」「経営管理に活用できるシステム」まで網羅的に解説していきます。
詳しくは本文で解説していきますが、経営管理を適切に行うためには「リアルタイムでの経営分析や現状把握が重要」となるため、即時に状況を一元管理できるシステム導入が欠かせません。
しかしながら、「いきなり大規模なシステムは入れられない」という企業も多いはずです。そこで、段階的にシステムを導入していく方法なども解説します。
経営管理の概要や進め方について知りたい方は、ぜひ参考になさってください。
目次
1. 経営管理とは
経営管理とは、経営に関わるさまざまな情報やリソースを適切に管理することをいいます。
ただし、人によって「経営管理」がどのあたりを示すのかイメージするポイントは異なりますし、文脈によっても変わってくる言葉です。どこかで明確に定義された言葉ではないことから、解釈が難しい言葉であることは理解しておく必要があります。
明確な定義はないものの、まずは「経営管理とは何か」を掘り下げて考えていきましょう。
1-1. 経理戦略・経営企画との違い
「経営管理とは何か」を考える時には、似ている言葉でもある「経営戦略」「経営企画」との違いを考えてみると分かりやすくなります。
【経営戦略・経営企画・経営管理の違い】
経営戦略 | 短期または中長期的な目標や、その目標を達成するための計画を立てること |
経営企画 | 経営戦略に基づく短期的な計画を策定したり、経営資源を配分したりすること |
経営管理 | 経営戦略や経営企画に基づいた計画・プロセスを実現するために管理すること |
つまり、経営管理は、経営戦略や経営企画で立てた実際の計画に対して、その計画やプロセスの進捗を把握して、調整・管理する工程のことをいいます。
1-2. 経営管理で管理する内容は業種・企業によって変わる
計画やプロセスの実現に向けた管理が経営管理ですが、そこで管理する内容は、業種や企業ごとに大きく異なる点に注意が必要です。
例えば、製造業での経営管理のメインは、製造コストや作業工程の管理などになるでしょう。一方で、原価=人件費となるようなプロジェクト型ビジネスでは、工数管理がメインになってきます。
このように、ひとくちに「経営管理」といっても、重点的に管理する内容がケースによってかなり違ってくる点には注意が必要です。
2. 経営管理の目的
経営管理の目的は、経営の重要な3要素である「ヒト」「モノ」「カネ」を最大限に活用し、経営成果を最大化させることにあります。
「経営管理」には、生産管理、販売管理、労務管理、人事管理、財務管理の5つが含まれています。
そしてこれら5つの管理のうち、「労務管理」と「人事管理」は【ヒト】に関する管理、「生産管理」と「販売管理」は【モノ】に対する管理、「財務管理」は【カネ】についての管理となります。
これらの管理を全て適切に行うのは、とても簡単なことではありません。しかしながら、健全な経営を行っていくには、総合的にさまざまな管理を行っていく必要があります。
3. 経営管理に関わる5つの領域
経営管理の言葉の意味と目的を解説したところで、さらに深く理解していくために、「経営管理の5つの管理」について詳しく解説していきます。
定義や文脈にもよりますが、経営管理には以下のような管理が含まれることが多いです。
【経営管理に含まれる5つの管理】
生産管理 | 製品の製造に関する一連の流れの管理 |
販売管理 | 商品やサービスの販売活動や状況、お金の流れの管理 |
労務管理 | 従業員の労働・雇用の管理 |
人事管理 | 人材の確保や人材配置、育成などの管理 |
財務管理 | 経営活動においての「おカネ」の部分の管理 |
それぞれの管理について、もう少し詳しく見ていきましょう。
3-1. 生産管理
生産管理とは、製品の製造に関する一連の流れを管理することをいいます。例えば以下のようなフローで生産管理を行います。
(1)受注管理:見積もり、契約、情報管理
(2)生産計画:生産のスケジュールを計画
(3)生産指示:計画を実行するための指示
(4)出庫指示:出庫書類の作成、引き継ぎ
生産管理は、コスト管理や納期の厳守なども含まれ、特に製造業の場合に経営に大きく関わる重要な管理となります。
3-2. 販売管理
販売管理とは、商品やサービスの販売活動や状況、お金の流れを管理するものです。具体的には以下のような業務を管理する工程が含まれます。
(1)受注管理:見積作成、受注情報の入力・管理など
(2)売上管理:売上や売掛情報の入力・管理、売上伝票や売上明細の作成
(3)請求管理:請求書の発行とシステムなどへの入力
(4)在庫管理:出荷・入荷の動きを管理して在庫の状況を正しく把握
どんな企業も、利益を追求して収益を上げることが大切なので、販売管理は経営管理の中でも重要となります。
3-3. 労務管理
労務管理とは、従業員の労働・雇用を管理することをいいます。具体的には以下のような内容があります。
(1)雇用契約や就業規則、労使協定など:ルールや取り決めをしっかり管理する
(2)社会保険の手続き:抜け漏れなどが無いようチェックすることが大切
(3)勤怠管理:出勤・退勤時間を記録して、正確な労働時間や時間外労働時間などを把握する
労務管理は、企業の利益を上げることが目的ではなく、健全な経営を行うという視点でとても重要な管理となります。
3-4. 人事管理
人事管理とは、人材の確保や人材配置、育成などの部分を指します。例えば以下のような管理を行います。
(1)従業員の採用:採用計画に基づいて必要な人材を確保する
(2)人材配置:適材適所に配置して、ヒトという資源を最大限活用する
(3)人事評価:適した人事評価制度を導入して、お互いに納得の行く評価を下す
(4)従業員の教育:既存の社員を育成することで、さらに効率化を図っていく
企業の経済活動を支えるのは「ヒト」となるため、適切な人事管理は経営管理において重要です。
3-5. 財務管理
財務管理とは、経営活動においての「おカネ」の部分の管理となります。
(1)資金調達や投資判断:ビジネスに必要なおカネを集める手段を考えて実行する
(2)資金の管理・運用:必要な資金を維持できているのかなどリアルタイムの把握が重要
(3)予算管理:売上や原価などを把握して、予算に対して達成できているかを監視・管理する
(4)決算書の作成:1年間の会社の経営成績や資産・負債を書類にまとめる
(5)財務分析:決算書を見て企業の財務状況を評価する
資金がなければ企業活動の存続が難しくなるため、財務管理もしっかりと徹底していく必要があります。
4. 経営管理を実践する手法・ステップ
ここからは、経営管理を進めていくステップについて解説していきます。
ただし、「経営管理」といっても企業によって進め方はかなり異なります。例えば「生産管理」をメインで行うのか「労務管理」に主眼を置くのかでは、手法も使うべきツールも全く違うものになるからです。
そのため、ここでは一般的な進め方の枠組みを説明していくイメージとなります。
それぞれのステップを詳しく説明していきます。
4-1. 経営管理で何を重点的に管理するのかを決める
なんとなく「経営管理をしたい」と思っていても、何を重点的に見ていきたいのかを決めるのが大切です。まずは「なぜ経営管理をしたいと思い始めたのか」「敬遠管理をする中で何を実現したいのか」を深堀りしていくことが重要です。
そうはいっても、どこに深いニーズがあるのかを自分で発掘するのは意外と難しいものです。そういう場合は、経営管理に含まれる具体的な工程を見て、どの部分を詳しく管理していきたいかを一度考えてみるのがおすすめです。
以下に、3章でも示した5つの経営管理の種類と、それぞれを分解した一覧を掲載するので、この中でどの部分を重点的に管理していきたいか検討してみると良いでしょう。
【経営管理に含まれる5つの管理】
生産管理 | (1)受注管理:見積もり、契約、情報管理 (2)生産計画:生産のスケジュールを計画 (3)生産指示:計画を実行するための指示 (4)出庫指示:出庫書類の作成、引き継ぎ |
販売管理 | (1)受注管理:見積作成、受注情報の入力・管理など (2)売上管理:売上や売掛情報の入力・管理、売上伝票や売上明細の作成 (3)請求管理:請求書の発行とシステムなどへの入力 (4)在庫管理:出荷・入荷の動きを管理して在庫の状況を正しく把握 |
労務管理 | (1)雇用契約や就業規則、労使協定など:ルールや取り決めをしっかり管理する (2)社会保険の手続き:抜け漏れなどが無いようチェックすることが大切 (3)勤怠管理:出勤・退勤時間を記録して、正確な労働時間や時間外労働時間などを把握する |
人事管理 | (1)従業員の採用:採用計画に基づいて必要な人材を確保する (2)人材配置:適材適所に配置して、ヒトという資源を最大限活用する (3)人事評価:適した人事評価制度を導入して、お互いに納得の行く評価を下す (4)従業員の教育:既存の社員を育成することで、さらに効率化を図っていく |
財務管理 | (1)資金調達や投資判断:ビジネスに必要なおカネを集める手段を考えて実行する (2)資金の管理・運用:必要な資金を維持できているのかなどリアルタイムの把握が重要 (3)予算管理:売上や原価などを把握して、予算に対して達成できているかを監視・管理する (4)決算書の作成:1年間の会社の経営成績や資産・負債を書類にまとめる (5)財務分析:決算書を見て企業の財務状況を評価する |
上記のように、いくつもある管理の中から、自社ではどの部分を重点的に管理していきたいかを、具体的にイメージしてみてください。
例えば、販売業ならば「販売管理」、プロジェクト型ビジネスなら「労務管理」がメインになるなど、自社で最も管理したいポイントがことなるはずです。現状の課題や業種に応じて、メインに管理するポイントを考えてみましょう。
4-2. 管理方法を決める(アナログな方法+ツール・システム)
重点的に管理していきたいポイントが見えてきたら、次は「どうやって管理するか」を考えていきます。
エクセルや無料のツールを使うのか、特化したシステムを使うか、はたまた統合的に管理できる大規模なシステムを導入するのかなどを決めていきましょう。
【5つの種類ごとの管理方法(一例)】
管理の種類 | 管理方法の選択肢 |
生産管理 | ・紙やエクセルの「生産管理表」を作成する ・生産管理システムを導入する ・ERP(統合基幹業務システム)を導入する ・MES(製造実行システム)を導入する |
販売管理 | ・エクセルの無料テンプレートで「販売管理表」を作成する ・各業務に特化したシステム(在庫管理システム、請求書発行システムなど)を導入する ・販売管理システムを導入する |
労務管理 | ・各業務に特化したシステム(勤怠管理システム、タスク管理ツールなど)を導入する ・統合的に管理できる「労務管理ツール」を導入する |
人事管理 | ・各業務に特化したシステム(目標管理ツール、タレントマネジメントツールなど)を導入する ・統合的な「人事管理システム」を導入する・ERP(統合基幹業務システム)を導入する |
財務管理 | ・各業務に特化したシステム(経費精算システム、予算管理システムなど)を導入する ・総合的に管理役る「管理会計システム」を導入する ・BIツールを導入する |
アナログな方法やエクセルを使った管理を行うこともできますが、正確に管理するためにはリアルタイムで状況を把握して、すぐに軌道修正ができるシステム(ITツール)の導入がおすすめです。
もちろん導入費用や月額費用がかかりますが、その分、適切かつ即時性があるため、経営判断をスピーディに行えるなど費用対効果に優れたシステムがたくさんあります。
後ほど、6章でおすすめの経営管理システムを紹介しているので、ぜひ参考になさってみてください。
4-3. リアルタイムで適切に管理していく
前のステップ決めた管理方法を活用して実際に状況を把握していくフェーズです。PDCAサイクルでいうと「Do」の段階です。
ここで重要になるのが、現状をリアルタイムで「見える化」していくことです。
経営管理を適切に行いたいという場合、ただの「会計管理」や「労務管理」などではなく、ヒト・モノ・カネを適切に管理した上で、経営判断を正しく行いたいというニーズが強いと思います。そのためには、リアルタイムで状況がどうなっているのかを把握することがとても大切です。
例えば、製品ではなく、人が生み出すサービスを売るような会社の場合には、どれだけ人件費(=工数)がかかっているかを適切に管理することが重要となります。
それなのに手作業で工数を管理するような方法を取ってしまうと、月末にデータをまとめた時点で初めて「今月は残業代が多くかかってしまった」「こちらの部署の手が空いていたから、この人員を別部署に回すことができた」など対応遅れとなってしまいます。
リアルタイムで管理できていれば、そして全部署の状況を一元的に可視化できていれば、限られたリソースを最大限活用することができたはずです。
このように、実際に管理をするときには、リアルタイムな状況把握や可視化(見える化)をすることが、経営判断しやすい管理のポイントとなります。
4-4. その後も継続的にサイクルを回し続ける
経営管理は、スタートして実行しても継続的にサイクルを回し続けることが大切です。
ここまで述べている通り、利益を最大化したり顧客の満足度を上げたりするためには、さまざまなリソースの管理が必要です。「これを管理できたから終わり」ということはありません。
常に、「今の経理管理方法で良いのか」「こっちの管理をもっと適切に行おう」と創意工夫を加えて行くことが大切です。
業種にもよりますが、法律を遵守するための「労務管理」から始めて、次のフェーズでは利益を最大化するための「販売管理」や「生産管理」、その後にリソースを最大化するための「人事管理」などにシストしていくのが良いでしょう。
5. 経営管理を効率化するシステムの方向性は2つある
ここまでお伝えしてきた通り、経営管理といってもさまざまな方向性の管理が必要になります。そのため、経営管理を最適化するためのシステム導入には、以下の2つの方向性があります。
経営管理を効率化するシステムを導入する場合の方向性 ・方向性1:重点的に管理したい業務の管理システムを先に入れて、段階的に入れていく ・方向性2:全ての管理を一元化できる統合的なシステムを最初から入れる |
それぞれについて、以下からもう少し詳しく解説していきます。
5-1. 方向性1:重点的に管理したい業務の管理システムを先に入れて、段階的に入れていく
方向性の1つ目としては、まずは「どこを重点的に管理するか」を見極めた上で、その業務を効率化するようなシステムを目的に合わせて導入するというものがあります。
例えば、プロジェクト型ビジネスのように、製造原価がほとんど人件費のようなケースでは、経営を考える上で、工数管理がとても重要になります。
このような場合には、工数をリアルタイムでズレがないように把握して、リソースを最適化するために、工数管理に優れたプロジェクト管理システムを導入することが考えられます。
この方向性のメリットとしては、統合的なシステムを入れるよりも安価にスタートできることがあります。一方でデメリットとしては、システムを後から追加していく中で、システム間の連携が取りづらくなる可能性がある点があります。
「まとまった予算はかけづらいけれども、重点的に管理したい部分をシステム化したい」という企業には、この方向性が向いています。
5-2. 方向性2:全ての管理を一元化できる統合的なシステムを最初から入れる
もう一つの方向性としては、最初からさまざまな管理を一元管理できるような統合的なシステムを入れるという方向があります。
つまり、今回説明した経営管理の種類(生産管理・販売管理・労務管理・人事管理・財務管理)の多くを一度に管理できるようなシステムを導入する方法です。
この方法のメリットとしては、やはり、一元管理できるためシームレスにさまざまな管理を同時に行えることがあります。全社で一斉に導入すれば、部署間や支社ごとの隔たりもなく、企業の状況を一度に確認できるメリットがあります。
デメリットとしては、統合的なシステムを入れるには費用が高くなる点があります。機能が多いほど導入費用も高くなります。費用がネックになる場合には、機能を絞ってスモールスタートでき、機能を途中から追加していけるようなシステムを検討するのがおすすめです。
6. 経営管理をしたい時に活用できるシステムの種類
ここまで述べてきた通り、経営管理を適切に行うためには、日々のデータをリアルタイムに管理・分析することが非常に大切です。また、さまざまな部署にまたがるデータを一元管理することも重要となります。
そのため、できればアナログな管理方法やエクセルでの部署ごとの管理ではなく、専用のシステムを入れて全社の情報を一元的に管理することが必要になります。
ここからは、そうした経営管理を実現できるシステムについて、どんなものがあるか解説していきます。
6-1.各種の業務管理システム(初めてシステム化するなど初期段階の企業向け)
いきなり大規模なシステムを入れるのが難しい場合には、各種の業務管理システムの中から、重点的に管理したいものを選んで導入して、段階的に入れていく方向性が良いでしょう。先ほどの「5-1」で説明した方向性です。
経営の5つの管理(生産管理・販売管理・労務管理・人事管理・財務管理)の中から、自社の経営に最も重要な要素についてをシステム化して管理していきます。例えば、「生産管理」を重視したい場合に「生産管理システムを入れる」などです。
【おすすめの業務管理システム】
管理の種類 | おすすめの業務管理システム |
生産管理 | ・生産管理システム ・製造実行システム(MES) |
販売管理 | ・販売管理システム ・在庫管理システム ・請求書発行システムなど |
労務管理 | ・労務管理システム ・勤怠管理システム ・タスク管理ツールなど |
人事管理 | ・人事管理システム ・目標管理ツール ・タレントマネジメントツールなど |
財務管理 | ・管理会計システム ・経費精算システム ・予算管理システムなど |
次に紹介するERPシステム(基幹システム)と比べると管理できる範囲が絞られますが、コストを抑えられるメリットがあります。
特に「デジタル化は初めて」という企業の場合、いきなり大規模なシステムを入れるのはデメリットも大きいため、まずは経営に最も関わる部分からシステム化していくのがおすすめです。
6-2. ERPシステム(経営に関わる管理を一元化したい企業向け)
経営の5つの管理(生産管理・販売管理・労務管理・人事管理・財務管理)を一元管理したい場合には、ERPシステムの導入がおすすめです。
ERPシステムとは、企業が保有するヒト・モノ・カネを適切に管理して、経営や業務の効率化を図るシステムのことです。ERPツールや基幹システムと呼ばれることもあります。
6-1でそれぞれに管理していた内容を1つのシステムで一元管理できるため、リアルタイムにさまざまな情報を管理・改善していきたい企業に向いています。
ただし、大規模なシステムとなるため、やはり導入費用はそれなりにかかります。オンプレミス型よりもやすいクラウド型ERPシステムでも、初期費用が1万円〜数十万円程度、月額費用は1ユーザーあたり千円〜1万円程度かかることが多いでしょう。
既にいくつかのシステムを入れている企業や、しっかりと経営全体を管理していたい企業に向いています。
6-3. エクセルを統合・管理できるシステム(エクセルを使い続けたい企業向け)
少し違った方向性として、現在経営にかかわる数字をエクセルで管理しており、「これからもエクセルを使い続けたい」という企業には、社内に散らばったエクセルデータを集約して統合・一元管理できるような「経営管理システム」の導入もおすすめです。
例えば、現在エクセルで「予算データ」や「実績データ」、「KPIデータ」などを管理しているような場合、それらを突き合わせて正しい経営予測や判断を行うのは手間も時間もかかります。
部署ごとにフォーマットが違う場合には、経営分析をする際にフォーマットを合わせて、期間を合わせて、など加工に時間がかかることもあるでしょう。
経営管理システムならば、社内に散らばるデータをまとめて一元管理できるため、統合されたデータベースを自由に加工して、正確かつスピーディに詳細な分析が行えます。
【おすすめの経営管理システム(エクセルを一元管理できるもの)】
システム名称 | 導入に向いている企業 |
Loglass(株式会社ログラス) | 多拠点・多部門を抱える大規模な企業 |
Sactona(アウトルックコンサルティング株式会社) | オンプレミス導入したい企業 |
Manageboard(株式会社ナレッジラボ) | コストを抑えつつ導入したい小規模・中規模企業 |
fusion_place(株式会社 フュージョンズ) | お試し導入から始めたい小規模企業 |
おすすめの経営管理システムについては、「経営管理 システム」の記事でさらに詳しく機能やメリットなどを解説していますので参考になさってください。
まとめ
本記事では「経営管理」についての概要を解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
▼経営管理とは
・経営に関わるさまざまな情報やリソースを適切に管理すること ・どこかで明確に定義された言葉ではないことから、解釈が難しい言葉である ・経営管理で管理する内容は業種・企業によって変わる |
▼経営管理に関わる5つの領域
・生産管理:製品の製造に関する一連の流れの管理 ・販売管理:商品やサービスの販売活動や状況、お金の流れの管理 ・労務管理:従業員の労働・雇用の管理 ・人事管理:人材の確保や人材配置、育成などの管理 ・財務管理:経営活動においての「カネ」の部分の管理 |
▼経営管理を実践する手法・ステップ
・STEP1:経営管理で何を重点的に管理するのかを決める ・STEP2:管理方法を決める(アナログ+ツール・システム) ・STEP3:リアルタイムで適切に管理していく ・STEP4:その後も継続的にサイクルを回し続ける |
▼経営管理を効率化するシステムの方向性は2つある
・方向性1:重点的に管理したい業務の管理システムを先に入れて、段階的に入れていく ・方向性2:全ての管理を一元化できる統合的なシステムを最初から入れる |
▼経営管理をしたい時に活用できるシステムの種類
・各種の業務管理システム(初めてシステム化するなど初期段階の企業向け) ・ERPシステム(経営に関わる管理を一元化したい企業向け) ・エクセルを統合・管理できるシステム(エクセルを使い続けたい企業向け) |
経営管理を適切に行っていきたいならば、システム活用が欠かせません。どのシステム導入が効果的か迷ったら、ぜひ中小企業DX研究所にご相談ください。
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