「営業メンバーの長時間残業が常態化してしまっている」
「営業マンの業務を効率化したいが、どこから手を付けていいかが分からない」
このようなお悩みを抱える企業は多いことでしょう。
毎日の営業業務を進める中で、営業本来の業務以外にもさまざまなタスクが山積みになってしまい、効率的に成果を出すのが難しくなってしまう状況は良く起こりえます。
そこで本記事では、「取り組みやすさ」と「工数削減効果」の2軸を意識しながら、営業の業務を効率化する方法8つを詳しく紹介していきます。
それぞれの効率化の方法は、「ITツール導入以前にできるもの」と「ITツールを活用する方法」の2つの観点から説明しています。ITツールを導入すると大幅な工数削減効果を期待できますが、ツールに頼らない方法も知りたい方がいるはずだからです。
営業の業務効率化は決して簡単なものではありません。しかし、効率化できる方法を選択肢として知っておけば、今からでも取り組める効率化のアイデアが見つかるはずです。
ぜひこの記事を読んで、具体的な効率化の手段を網羅的に理解して、自社で取り組める方法を試してみてください。
目次
1. 営業の仕事を効率化する方法8選
まずは、営業の仕事を効率化する具体的な方法を8つまとめて紹介していきます。
【営業の仕事を効率化する方法8つ】
取り組みやすさ | 工数削減効果 | |
客先までの移動時間を効率化する | ★★★★★ | ★★★★☆ |
営業に必要な情報やノウハウをメンバー同士で共有する | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
事前に顧客が見る営業資料を充実させる | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
簡単な質問などの対応を外注・分業・自動化する | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるようにする | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
営業フォローアップを効率化する | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
営業にかかわる事務作業の時間を減らす | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
商談前にインサイドセールスを導入する | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
それぞれの方法の詳細と、「取り組みやすさ(すぐにできるか)」と「工数削減効果(どのくらい効率化できるか)」の目安を星で表しました。
現在の営業の体制や方法、商材によっても「どの方法で効率化できるか」が異なるため、「自社ではどの方法が有効かな」と考えながら読み進めてみてください。
1-1. 客先までの移動時間を効率化する
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★★★ | ★★★★☆ |
客先まで訪問するスタイルの営業の場合には、営業の多くの時間が移動時間に割かれてしまうのが現状です。この移動時間を無くせれば(または短縮できれば)大幅に効率化を図れます。
例えば、実際に顧客の会社や自宅を訪問するのではなく「オンライン会議システム」での商談を行えば、客先までの移動時間をゼロにできます。
また、近い客先同士の予定を固めて移動ルートを最適化すれば、1日に担当できる商談の数を増やすことができるはずです。
客先までの移動時間を効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)営業のスケジュールを社内で共有して、訪問先の近いアポイントを固める |
客先までの移動時間を効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)客先への訪問をやめて「オンライン会議システム」での商談を行う (2)営業のスケジュールをツールで一元管理して、訪問先の近いアポイントを固める |
1-2. 営業に必要な情報やノウハウをメンバー同士で共有する
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★★★ | ★★☆☆☆ |
営業の仕事を効率化する方法2つ目は、営業に必要な情報やノウハウをメンバー同士で共有することです。
営業する際に使う資料(パワーポイントやエクセル、ワードなど)やパンフレット、チラシ、カタログもそうですし、効果的な商談の方法などノウハウなどを共有することで営業全体の売上向上につながります。
例えば、Aさんが提案時に作った営業資料を、Bさんも同じような規模・業種の顧客への提案として使えれば、Bさんが資料を作る時間を削減できます。
また、こうした資料をデジタル化してサーバーに保存してどこからでもアクセスできるようにしておけば、客先に印刷した資料を持ち歩かなくてもタブレットやPCで見せられるメリットがあります。
情報やノウハウを共有する具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)営業に使う資料を紙で印刷しておく (2)商談で効果的だったアプローチ方法などを、営業部ミーティングで共有する |
情報やノウハウを共有する具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)営業に使う資料を、共有サーバーに保存してどこからでもアクセスできるようにする (2)提案資料をサーバーで共有して、他の人が作成した提案資料をコピーできるようにする (3)商談で効果的だったアプローチ方法などを、チャットツールなどで共有する |
1-3. 事前に顧客が見る営業資料を充実させる
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★★☆ | ★★★★☆ |
事前に顧客が見る営業資料を充実させて期待値を上げておくことで、営業担当が商談に行く前に顧客の興味や関心度を上げておくことができ、効率化につなげることができます。
例えば、公式サイトのコンテンツやFAQ(よくある質問と回答)、サービスのデモ、実際の使用例、ダウンロード資料などを充実させることで、顧客の商品・サービスに対する理解度を深めておきます。
こうすることにより、既に顧客自身が「自分が求めている商品・サービスかどうか」ある程度判断できている状態で商談に進めることができるのです。結果として、興味や関心度合が高い(確度の高い)顧客を集めることができます。
また、逆に、事前に得た情報から自分に向いていないと判断することもできるため、成約の確率が低い顧客からの問い合わせを減らすことにもつながります。受注確度の低い顧客に時間を取られることなく効率化することが可能となります。
事前の営業資料を充実させる具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)営業が商談に行く前までは、別の部隊が問い合わせに対応する (2)公式サイトや店舗などに、見込み客向けの資料をたくさん用意する (3)よくある質問や導入事例などを充実させる |
事前の営業資料を充実させる具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)問い合わせをもらった時点からステップメールで情報を自動的に配信する |
1-4. 簡単な質問などの対応を外注・分業・自動化する
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★☆☆ | ★★★★★ |
ささいな質問も全て営業担当が対応するのではなく、外注したり分業にしたり自動化したりすることで、営業の対応範囲が狭まり効率化を図ることができます。
※もっとも、高額なサービス・商品を販売しているなど、業態によっては営業担当との親密な関係性を築いていくことのほうが価値が高いケースもあります。
簡単な質問などの対応を外注・分業する方法としては、一次対応を外部コールセンターや社内の営業事務に任せるという選択肢があります。簡単な受け答えならば担当営業に回さなくても答えられるケースが多いでしょう。
また、できるだけ問い合わせをオンライン上で完結させる方法もあります。公式サイトにAIチャットボットを用意して、今までの問い合わせ履歴を基にAI(人工知能)ロボットがユーザーと文字で会話して質問に答えるような仕組みなども活用しましょう。
簡単な質問などの対応を効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)一次対応を外部コールセンターにアウトソーシングする (2)一次対応を個別営業ではなく、営業部全体で答える仕組みを作る (3)一次対応を担当営業が受けるのではなく、メールや問い合わせフォームで送ってもらう |
簡単な質問などの対応を効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)公式サイトにAIチャットボットを用意して、ロボットに返信してもらう |
1-5. 顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるようにする
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★☆☆ | ★★★★☆ |
営業の仕事を効率化する方法として、顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるような環境を整えておくことも大切です。
会社名や電話番号などを入れれば瞬時に顧客の情報や購入履歴などが分かるようにしておくと、問い合わせがあった場合の対応が早くなります。
さらに誰でも顧客情報にアクセスできるようにしておけば、担当営業が不在でも代わりに他のメンバーが対応することが可能です。属人化を防ぐことができ、営業が休めない状況も改善できるでしょう。
顧客情報へのアクセスを良くする具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)紙ベースで顧客リストを作成して、購入履歴なども適宜追加して管理する (2)エクセルなどで顧客リストを作成して、購入履歴なども適宜追加して管理する |
顧客情報へのアクセスを良くする具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)顧客管理ツールを導入して、顧客情報や商談予定管理など一元管理する |
1-6. 営業フォローアップを効率化する(引き際を決める・分業するなど)
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
商談をしたもののまだ成約に至っていない顧客のフォローアップを効率化するという考え方も有効です。
「もう少し押せば契約が取れそう」「定期的に顔を見せる効果で成約を勝ち取る」というスタイルの営業もいるでしょうが、フォローアップに時間を取られすぎてしまうと別の見込み顧客を逃す危険性があります。
営業フォローアップを効率化する方向性としては、引き際のタイミングを決めてルール化しておく、フォローアップは別の担当者が行うなどがあります。
営業フォローアップを効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)社内で引き際のタイミングを決めてルール化する (2)未成約の見込み顧客のフォローを、社内の別部隊に任せる |
営業フォローアップを効率化する具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)SFA(営業支援ツール)でフォローアップが必要な顧客データを管理する (2)MAツール(ステップメールなど)で、成約に至らなかった顧客にも情報を届け続ける |
1-7. 営業にかかわる事務作業の時間を減らす
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★★☆☆☆ | ★★★★★ |
営業にかかわる事務作業の時間を減らすことも、営業の仕事を効率化する上でとても重要なポイントです。
営業の仕事が「商談だけ」ならば営業の仕事にだけ注力できますが、実際には、商談前の準備や見積書の作成、顧客情報の入力、商品の発注業務、営業先までの移動手段の検索、スケジュール管理、交通費精算などさまざまな事務作業が発生しています。
こうした細々とした事務作業を効率化できれば、本来の営業の仕事に多く時間を割けるようになり、売上アップにもつながります。
事務作業の時間を減らす具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)営業事務のメンバーを雇用して、事務作業をやってもらう (2)事務作業を外部の業者にアウトソーシング(外部委託)する |
事務作業の時間を減らす具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)SFAやCRMなどの営業支援ツールを導入して、事務作業を減らす (2)RPA(定型業務自動化ツール)を導入して、事務作業を自動化する |
※デジタルツールの詳細については「3. 営業の効率化に活用できるITツール7つ」で後述しているので、そちらも参考になさってください。
1-8. 商談前にインサイドセールスを導入する
取り組みやすさ | 工数削減効果 |
★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
営業が商談に行くまでの工程を効率化する方法もあります。代表的な方法が「インサイドセールス」を導入する方法です。
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン会議システムなどで非対面で行う営業活動のことです。それに対して、商談を実際に行う営業を「フィールドセールス」といいます。
営業担当自身が新規の見込み客を見つけて営業するのではなく、インサイドセールスが最初に顧客にコンタクトを取り、商談の日程が決まった時点で営業担当(フィールドセールス)に引き継ぐようなイメージです。
インサイドセールス自体を外注(アウトソーシング)することもできますし、社内の別の部隊がインサイドセールスを担当するケースもあります。
インサイドセールスを導入する具体的な方法例(デジタルツールを使わない方法) (1)商談のアポを取るインサイドセールス部隊を社内に作る (2)商談のアポを取るインサイドセールス部隊をコールセンター業者に外注する |
インサイドセールスを導入する具体的な方法例(デジタルツールを使う方法) (1)人ではなくMAツールなどの自動配信メール機能で顧客を育成する |
2. 営業の効率化にはITツールの導入が効果的
1章では、営業のお仕事を効率化する方法をさまざまな側面から紹介しました。読みながら、「ここは自社でも取り組めそうだな」と思う方法が見つかったでしょうか。
1章で解説した内容を、アプローチの仕方で大別すると、以下の3つとなります。
(1)社内の営業の体制を見直す(分業化するなど) (2)今まで営業がやっていたことの一部を、外部の会社に委託(アウトソーシング)する (3)効率化できるITツール・システムを導入する |
どのアプローチの仕方が良いかは現在の社内体制や商材、効率化にかけられる予算によっても異なりますが、おすすめは「(3)効率化できるITツール・システムを導入する」というアプローチです。
なぜならば、社内の体制を変えて分業を進めると、営業部隊は効率化できる一方で他の部署の負担が増えてしまい、会社トータルで見ると効率化できるとは言えないからです。
また、外部の会社に営業の業務を委託すると、確かに大幅な効率化は進みますが、社内にノウハウが溜まらなかったり、委託会社の能力に依存してしまったりする可能性があるからです。
社内でノウハウを溜めつつ、自社の責任において営業を効率化していくには、ITツール・システムを活用しながら効率化していく方法がおすすめです。
3. 営業の効率化に活用できるITツール7つ
営業の仕事を効率化するにはITツールの活用が欠かせませんが、ITツールといってもさまざまなものがあり、目的に応じて最適なツールを導入することが大切です。
ここでは、効率化できるツールの中でも代表的なツールを7つ紹介していきます。
営業の効率化に活用できるITツール7つ ・SFAツール(営業支援ツール) ・MAツール(マーケティング ・オートメーションツール) ・CRMツール(顧客関係管理ツール) ・オンライン会議システム ・スケジュール管理ツール ・ビジネスチャットツール ・業務プラットフォームに必要な機能を追加する選択肢もある |
なお、ITツールの定義や名称はあいまいな部分も多く、「SFAツールにもCRMツール」にも該当するというケースもあります。
まずは、どのような効率化ツールがあるのか概要を理解するつもりで読み進めてみてください。
3-1. SFAツール(営業支援ツール)
SFAツール(営業支援ツール)とは「Sales Force Automation」の略称で、営業活動を効率化・自動化できるツールのことをいいます。代表的なツールとしては、「Sales force(セールスフォース)」などがあります。
ツールによって機能は異なりますが、多くのSFAツールは以下のような機能を備えています。
SFAツール(営業支援ツール)の機能例 ・顧客情報だけでなく商談の記録、売上見込みなども一元管理できる ・営業担当だけでなく管理者など社内で情報を共有できる ・GPS情報を利用した営業の行動把握を行える ・予算と実績を可視化して正確な予実管理ができる ・タスク管理や日報・週報の自動作成機能などもある |
価格もツールによって異なりますが、1ユーザーあたり月額1,000円〜の安価なタイプから、1ユーザーあたり月額1万円前後の高機能タイプなどが相場です。
3-2. MAツール(マーケティング・オートメーションツール)
MAツール(マーケティング・オートメーションツール)とは、新規顧客を獲得するための一連のマーケティング施策を自動化・効率化するツールのことをいいます。
見込み顧客を育成する工程を担うツールで、主要なMAツールとしては、「BowNow」や「SATORI」があります。
ツールによって機能やできることは異なりますが、多くのツールに共通している機能が以下のようなものです。
MAツール(マーケティング・オートメーションツール)の機能例 ・見込み顧客の情報や資料請求・申し込み履歴の管理 ・見込み顧客をスコアリングして受注確度を判定 ・顧客の受注確度に応じて、タイミング良くコンタクトを取ることが可能 ・シナリオ(顧客の行動に合わせたアクション)を作成して自動的に案内送信 ・HTMLメールやテキストメールの作成・配信 ・ランディングページやフォームの作成 ・顧客の行動を蓄積して、マーケティング施策を分析・レポート作成 ・Google広告やX、Instagramなどの広告との連携 |
価格は機能によってかなり異なり、メール機能に特化したシンプルなツールは月額数万円程度か導入可能ですが、高機能なツールは月額10万円〜などとなっています。
3-3. CRMツール(顧客関係管理ツール)
CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、顧客の情報やコミュニケーション履歴などを管理するITツールです。有名なツールとしては「メールワイズ」や「Hubspot CRM」などがあります。
具体的には、以下のような機能がCRMツールには備えられています。
CRMツール(顧客関係管理ツール)の機能例 ・顧客情報(会社名や住所、電話番号など)の管理 ・顧客とのコミュニケーションの履歴の管理 ・顧客との取引・販売履歴などの管理 ・顧客属性や購買履歴等を基にした分析・傾向把握 |
クラウド型が主流で、価格相場は、初期費用が無料〜10万円程度、月額料金が1ユーザーあたり1,000円〜3,000円程度となっています。
3-4. オンライン会議システム
オンライン会議システムとは、インターネット経由で会議や商談を行えるツールのことです。Web会議システム、リモート会議システムなどとも呼ばれます。「Zoom」や「Microsoft Teams」「Google Meet」などがよく使われている代表的なツールです。
オンライン会議システムを導入すると、営業が相手先に訪問しなくても商談をすることができ、移動のための時間や交通費を削減することが可能です。
パソコンの画面越しに相手の顔を見ながら話すことが可能で、手元の資料を相手に見てもらうこともできます。また、同時に複数の拠点からアクセスすることもできるため、商談相手がリモートワークの場合には最適です。
オンライン会議システムは、無料で始めることもでき、有料版でも1ユーザーあたり月額1,000円〜3,000円程度で利用が可能です。手軽に始められるITツールなので、ぜひ導入を検討してみると良いでしょう。
3-5. スケジュール管理ツール
スケジュール管理ツールとは、文字通り、スケジュールを管理するツールです。自分だけでなく社内の他の人のスケジュールも共有して確認できるのが特徴です。
例えば、新規の見込み客から商談の依頼があった場合に、希望日時に空いている営業担当を探して、日程調整を行えるメリットがあります。打ち合わせ場所に応じて、近い場所に行っている営業担当を割り振る、というような効率化ができるようになります。
スケジュール管理機能だけならば、Googleカレンダーなど無料で使えるツールもあります。また、スケジュール管理機能がついた「タスク管理ツール」や「プロジェクト管理ツール」「工数管理ツール」、さまざまな機能を搭載した「サイボウズ」などを活用する選択肢もあります。
価格はさまざまで、上記のような無料ツールから、高機能なツールでは1ユーザーあたり月額500円〜1,500円程度となっています。
3-6. ビジネスチャットツール
営業の業務を効率化するツールとして最後に紹介するのは、ビジネスチャットツールです。現代人の多くが使用している「LINE」のビジネス版と考えていただけると分かりやすいかと思います。
代表的なビジネスチャットツールには、「Slack」や「Chatwork」「Microsoft Teams」などがあります。
ビジネスチャットツールでは、文字情報の交換だけでなく、動画や画像を送ったり、Web会議を行ったり、資料を共有したりすることも可能です。
営業担当や営業をサポートする部署でビジネスチャットツールを活用することで、迅速なやりとりが可能になり、見積書や提案書、現場の写真などをいつでも共有できるメリットがあります。
ビジネスチャットツールの価格は、1ユーザーあたり月額300円〜1,000円程度が一般的です。
3-7. 業務プラットフォームに必要な機能を追加する選択肢もある
3-1から3-6で紹介したようなツールを導入するのではなく、「kintone」のような業務プラットフォームに、必要に応じて機能を追加していく選択肢もあります。
例えば、サイボウズ株式会社の「kintone」は、ベースとなる基本機能に、会社が必要なアプリを追加していくことができます。
kintoneをベースに、顧客情報を一元管理できる「メールワイズ」や、見積作成機能、チームでファイルを共有する機能、事務作業などの申請作業(ワークフロー)などを追加していくことで、営業や営業事務を効率化することが可能となります。
既にこうしたプラットフォームを使っている場合や、全社でこうしたプラットフォームを導入予定という場合には、営業効率化に必要な機能を順次追加していくという方向性で考えてみると良いでしょう。
4. どの営業効率化ツールを導入するかを決めるステップ
ここまで解説した通り、営業の業務効率化を図るためにはITツールの活用が欠かせません。しかしながら、「たくさんツールがあって、どれから導入すればいいか決められない」という企業担当者もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、数多くある効率化ツールの中から、どのツールを導入するか決めるためのステップを紹介していきます。
4-1. 効率化する方法の中でも優先度が高いものを選ぶ
まずは、今回紹介した「営業の業務を効率化する方法」を見て、その中でも「優先度が高い」「優先度が低いもの」を社内で検討してみましょう。
営業を効率化する8つの方法 ・客先までの移動時間を効率化する ・営業に必要な情報やノウハウをメンバー同士で共有する ・事前に顧客が見る営業資料を充実させる ・簡単な質問などの対応を外注・分業・自動化する ・顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるようにする ・営業フォローアップを効率化する ・営業にかかわる事務作業の時間を減らす ・商談前にインサイドセールスを導入する |
優先度を検討する際には、できるだけ現場の声も聞いて、「現状どのような部分で困っているか」「その状況を改善したらどのくらい効率化できそうか」などをまとめておくのもおすすめです。
ここで検討した内容が、次のステップでの「ツールの選定」の時にも役立ちます。
4-2. 優先度が高い項目を効率化できるツールを検討する
優先度が高い項目を選定できたら、次に、その項目を効率化できるツールはどれか検討していきます。
例えば、「(2)営業にかかわる事務作業の時間を減らす」と「(3)顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるようにする」の優先度が高い場合には、以下の方法で効率化できます。
営業の効率化の例 ・「CRMツール(顧客関係管理ツール)」を導入する ・担当営業以外もアクセスできるようにして、手が空いているメンバーが事務作業をサポートする ・一次対応や代表電話への問い合わせも、担当営業以外が対応する |
ツールの導入+社内体制の変更で、営業が商談以外に割く時間が減り、本業に集中できるようになるはずです。また、「担当営業に聞かないと分からない」という属人化の状況をなくし、営業が休みやすくなったりメンバー同士で案件を共有したりすることも可能になります。
4-3. ツールの中でどのサービスにするかを決める
どのツールを導入するか検討が進んだら、「たくさんあるツールの中でどのサービスにするか」も検討していきましょう。
例えば、CRMツールにも非常にたくさんの種類があり、数十種類以上もあるサービスの中から「どのサービスが自社に合っているか」を決めていかなければなりません。
サービスを決める上では、機能や価格、サポート面、使いやすさなど総合的に検討する必要があり、自社だけで最適なサービスがどれか判断するのが難しいかもしれません。
どのサービスにするか判断が難しい場合には、ぜひ弊社・中小企業DX研究所にご相談ください。
5. 営業を効率化するツール選びに迷ったら、導入支援のプロ「中小企業DX研究所」にご相談ください
ここまで解説したように、営業の業務を効率化するためにはITツールの活用が欠かせません。しかしながら、「どうやって最適なツールを選べばいいか分からない」「どこから手を付けて良いか分からない」という企業も多いことでしょう。
営業を効率化するITツールに困ったら、どんな些細なことでも、ぜひ中小企業DX研究所にお気軽にご相談ください。
中小企業DX研究所は、業務効率化やデジタル化を進めたい中小企業のために、綿密に打ち合わせをしながら開発を進める「対面開発」を行っています。
おすすめは、企業に必要なアプリだけを追加していけるクラウドサービス「kintone(キントーン)」をベースにした方法です。kintoneは現場のパートさんでも使える操作性の良いシステムで、多くの中小企業で導入されています。
当社の「kintone(キントーン)定額対面開発サービス」では、このkintoneをベースに、要件定義から月20時間程度の対面開発を進めていき、企業のお悩みを解決していくことができます。納得が行かない場合には初月全額返金保証も付いています。
kintone(キントーン)を使わないというお客様には、kintone以外のシステム開発をすることももちろん可能です。
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まとめ
本記事では「営業の効率化」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
▼営業の仕事を効率化する方法8選
・客先までの移動時間を効率化する ・営業に必要な情報やノウハウをメンバー同士で共有する ・事前に顧客が見る営業資料を充実させる ・簡単な質問などの対応を外注・分業・自動化する ・顧客の情報や履歴にすぐアクセスできるようにする ・営業フォローアップを効率化する ・営業にかかわる事務作業の時間を減らす ・商談前にインサイドセールスを導入する |
▼営業の効率化に活用できるITツール7つ
・SFAツール(営業支援ツール) ・MAツール(マーケティング・オートメーションツール) ・CRMツール(顧客関係管理ツール) ・オンライン会議システム ・スケジュール管理ツール ・ビジネスチャットツール ・業務プラットフォームに必要な機能を追加する選択肢もある |
営業の仕事を大幅に効率化したいならば、自社の悩みに合ったITツールを活用するのがおすすめです。導入のハードルは高くても、工数削減効果はかなり大きなものになるはずです。
「どこが一番ネックになっているか分からない」「自分では最適なツールがどれか判断できない」という場合には、ぜひ中小企業DX研究所にご相談ください。
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