
【この記事で分かること】
- 秋田市のスーパーでクマが立てこもった事案の概要
- クマの危険性
- なぜ都市部からクマ駆除の苦情が殺到するのか
皆さん、お疲れさまです!こちらは、地方行政サミット事務局です!
本日は、秋田市のスーパーにクマが立てこもった問題について、取り上げて、お話をさせていただこうと思います。

野生動物の問題は、同じ動物として議論しないわけにはいかないにゃ。


秋田市のスーパーにクマが立てこもり
まずは本件、簡単におさらいしておきましょう。
2024年11月、秋田市のスーパーにクマが立てこもりました。
スーパーは、秋田市にある「いとく土崎みなと店」。人里の中にあり、通常野生動物との共生が全く想定されていないエリアです。クマはそのスーパーで従業員を襲ってケガさせた後、加工肉などを食い荒らします。
通常であればクマは猟銃で駆除するものですが、市街地の中のスーパーということで猟銃は使えず。そこで罠での捕獲を試みるのですが、何しろスーパーの中には果物や肉などの食べ物が豊富にあるので、なかなか罠に入りません。
そうした中、2日後、罠の中にクマが入ったことが確認され、吹き矢による麻酔で眠らされた後、駆除されるに至りまった…という話です。
なおこのスーパー、店内の消毒などを経て、約1週間後に営業が再開されています。
秋田市の担当課に苦情が殺到…
と、このように「一件落着」に見えたこの案件ですが、話はこれで終わりません。
クマを駆除したことで、秋田市の担当課には、苦情の電話が殺到してしまうのです。
NEWSポストセブンには、そうした苦情の様子が記事で取り上げられています。
“立てこもり騒動”を受けて、SNS上などで話題となっているのがクマの駆除に関する「苦情」だ。秋田市の農地森林整備課によると、12月4日16時までに市に寄せられた119件にのぼる電話やメールのうち、半数ほどが「(クマを)遠くの山に逃して」「なぜ殺処分するのか」といったクレームだということがわかっている。


「野生動物の駆除」は都市と地方の対立項目
この手の苦情の電話が社会問題になり始めたのは、昨年2023年ごろからかと記憶しています。
地方の自治体において、野生動物の駆除が行われ、それがニュースになると、都市部の自治体に住む人たちから苦情の電話が殺到します。
都市部の人たちは



クマを駆除するなんて残酷だ!



クマさんがかわいそう!
と、まるでクマをペット・愛玩動物のように語り出すわけです。
しかし、実際に地方で暮らす人間にとって、クマは非常に危険な動物であり、遭遇した時点で命の危険を感じるほどです。
また、クマは草食の大人しい動物だというふうに理解している都市部の人も多いですが、実際のクマは、他の野生動物を捕食してしまうほど。



クマの恐ろしさは、言葉で見るより、動画で見た方が遥かにわかります。
このように、クマという動物に対する見方は、
- 都市部:かわいい愛玩動物
- 地方部:人や動物を襲う危険な野生生物
というふうに、都市部か地方かで、全く見え方が異なってしまうのです。



都市部の人は、このような「クマの本当の恐ろしさ」を知らないというわけだね。



野生のクマに襲われたら、ネコなんかはあっという間に捕まって、食べられてしまうにゃ…



そう、野生動物の恐ろしさは、向き合った者にしか分かりません。



れびん君は有害鳥獣対策経験者だから、言葉に重みがあるにゃ…
命に報いるジビエ…しかし麻酔を打ったら対応できない
ところで、こういう有害鳥獣の駆除を行う際に、単に駆除して処理することについて心が痛むという心情は理解できます。
そこで、「せめて命を有効利用しよう」という視点から取り組まれているのが、
有害鳥獣のジビエ化
です。
駆除したクマのほか、シカやイノシシは、その後に解体して食肉としていただいたり、毛皮を利用したりすることで、いただいた命をつなぐことが可能になります。
捕獲した動物の処理・加工には一定のスキルが必要となることから、現時点ではそれほど普及しているわけではありませんが、食糧難への対応策の1つとしても、この「有害鳥獣のジビエ化」には注目が集まっています。
なので、今回も、駆除したクマのジビエ化…ができれば良かったのですが、今回の事案では、クマに麻酔が撃たれてしまっていることから、食用として処理することができなくなってしまっていました。
安全第一で対応するために麻酔を打つことは、今回の事案ではやむを得なかったところではありますが、一方でジビエ化を意識するとこれがネックになってくるのも、また事実です。



また別の記事で語ろうと思いますが、捕獲現場における麻酔の取扱いは本当に難しいんです。
まとめ
「秋田市のスーパーにクマが立てこもった問題」については以上となりますが、いかがでしたでしょうか?
この手の野生動物駆除が起こったとき、地方部の自治体に都市部の住民から苦情が行くという構図は、ここ数年、大きな問題となっています。
地方部の人間にとっては、この野生動物の被害は本当に切実で、特にクマに関しては命の危険を感じるレベルなのですが、その恐怖は、都市部で暮らす人間には、なかなか伝わりません。
地方部の人たちが、安心・安全な暮らしを営む上で、野生動物への対応は必要不可欠。都市部の人たちも、ぜひ地方部の人たちが抱える野生動物の問題に、課題意識を持っていただきたいと思います。